奈良県神職会定期総会並びに臨時総会において
新嘗祭神酒醸造の件を大倉勝治に委託する――と
満場一致で決議され、その後、免許を申請。
10月1日付けで所轄の葛城税務署より
「製造場は清酒製造場の一部を別区画となし、
免許申請書に添付せる図面の通りとすること」等 
7項目の条件のもと免許されたことが書かれています。

さらに初回の祈醸祭並びに完醸奉告祭についての報告が
以下のように続きます。

「奈良県神職会報(昭和7年11月第155号21頁以下)

さきに本会総会に決議せられた新嘗祭神酒の醸造は、
北葛城郡五位堂村大字鎌田大倉勝治氏に依嘱せられたところ、
さる10月25日これが祈醸祭を執行された。その概況は
午前11時当麻山口神社々掌高津清臣氏斎主となり、斎員は
北葛城郡神職4名奉仕、各郡市支部長、佐々木税務署長代理、
当麻、五位堂村長等をはじめ約30名参列、その後20数日大倉勝治氏に
おいては新築の醸造場において酒造器具一切を新調の上
謹醸中のところ、香り高き神酒10余石は11月17日目出度醸造完成、
即日完醸奉告祭が執行された。当日午前10時30分高津清臣氏斎主、
斎員は北葛城郡神職5名奉仕、丹羽葛城税務署長、田村同間税課長、
各郡市支部長、当麻、五位堂村長等参列、いと厳かに祭典を終了。
醸造成った濁酒は11月18日より20日までの間に各郡市支部を経て
各神社へ送り、11月23日よりの新嘗祭に奉献する。」と
報じられております。

   
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そして祝詞について触れられています。

(中略)
即ち春の祈年祭には五穀の豊穣を祈り、併せて新嘗祭の厳修を
神明に誓い、秋の新嘗祭にはかくして収穫した新穀を御食、
御酒として献供することと皇室、国民の繁栄とを祈願しております。
 しかし、いかがでしょうか。ご承知のように昔も今もお酒醸造の
最盛期は毎年の厳寒期であり、市販の酒類に依存していたのでは、
祝詞で神さまに奏上するように、新穀で醸造した神酒を11月23日の
新嘗祭に献供することは事実上不可能なのでありました。
前述した神職会の決議―当局への許可申請はこれを解消して
祝詞奏上どおりの祭儀を執行するための措置だったわけであります。
 この神酒を醸造するには、地元の斎田で播種祭、田植祭、抜穂祭の
諸祭儀を、大倉の酒造場では祈醸祭、完醸祭を厳粛に執行されました
が、斎田の諸祭儀には地元の学童の、祭儀万般については
北葛城郡支部の絶大な協力を戴きました。所轄税務署への説明、
陳情には同じ北葛城郡内に鎮座の広瀬神社宮司山川鶴市氏にも
出動を願い、わけても北葛城郡支部長(葛木二上神社社司)
蟹守箒木氏には醸造先の銓衝から地元との交渉、祭儀一切について
格皎の協力を煩し、特に祭儀については以後任せきりの状態で
ありました。


まだ論文の途中ながら、残念ながら、
ここまでしか手もとにございません。


※掲載時の内容を抜粋、テキスト化したものです。