清酒発祥の地とされる奈良で1896年に創業、「酒は本来 素朴・
端正をもって極上とする」を信念に、時間と手間のかかる
山廃仕込みにこだわってお酒を造っているのが、この大倉本家さん。
江戸末期に建てられた母屋や白壁が、なんとも重厚かつ歴史の深さを
感じさせてくれます。こちらのお酒を初めて飲んだとき、
まさしく信念通りの雑味のない、端正な、喉ごしのいいお酒やと
思ったわけですよ。生は生らしい華やかな香りと甘味・酸味の
バランスが絶妙で、おいちゃん、4合瓶空けちゃいました(笑)。
火入れした純米酒は冷やで飲むと喉ごしが良すぎて少し物足りない
かと思いきや、燗をつけると一気に香りが華やいで、きりっとした
辛口がたまんないのよねん。そして極めつけは「濁酒」。蔵付きの
酵母と乳酸菌の働きを生かして醸造する日本酒造りの原点的製造法・
水もと仕込みができる蔵は大倉さん以外にはほとんどないそうな。
以前は奈良県神社庁の委託で県内・近県の神社に納める御神酒として
だけ造られていたものが近年製品化された一品。いわゆる
「どぶろく」的なお酒なれど、微かな発泡性とまろやかな酸味が
相まった上品な味は、普通のどぶろくやにごり酒とは一味違います。
ただこの濁酒、製造から瓶詰めまでのほとんどが手作業で、
出荷量も多くない貴重なお酒。しか~し、ここで朗報!春と秋の二度
仕込まれるこの濁酒、ちょうどこの号が発売されるころに春の濁酒が
完成しているというグッドタイミング、善は急げ!
