2007年2月28日「奈良新聞」より転載
※発売時(2007年)の内容をそのままテキスト化
したものです
 JR五位堂駅を降り、南西へ徒歩10分。二上山東麓の扇状地に
広がる香芝市鎌田に創業の味と伝統の技を守り続ける大倉本家が
ある。
 明治29(1896)年創業。平成12年から15年までの3年間休造を
していたが、現在は、4代目となる大倉隆彦社長や
社員の若い力と杜氏(とうじ)の老練な技術を駆使して酒造りに
励んでいる。
 伝統的な製法と地元の自然の恵みを生かした材料で、優しく、
時には厳しく、そして焦らず愛情を込めて造られる「金鼓」は
大倉本家の目指す素朴で端正な味。
 この酒は、創業以来かたくなに守り続けてきた「山卸廃止もと
仕込み」という昔ながらの製法で造られ、山廃もとという酒母を
使用、もろみを発酵させ、醸造する。
酒母育成の際には、雑菌が入り込む可能性もあるため、
酸性に弱い雑菌に対抗するよう、多量の乳酸を含ませることが
必要という。
 山廃もとは、自然の乳酸菌の育成を導き、酸性にするため、
通常の倍以上の時間と労力を費やし、温度管理など細やかな
心配りが必要になる。しかし、手間暇のかかる分、その蔵の
特性を感じさせる、濃醇でコシの強い味わいとなり、
清酒「金鼓」を 1口飲めば、絶大なインパクトが口いっぱいに
広がる。
「山廃仕込みで造られる酒こそ大倉本家の味を形成するもの」と、
伝統の秘技を余すことなく継承することを責務と考え、また
「売れる酒をただ追い求めるのではなく、これが大倉本家の味だ
と主張できる、独特の味を醸し出していきたい」と
個性ある質の良い酒造りを目指し、技術の練磨に励んでいる。
 先人の知恵と経験から生み出された製法の継承と若い力や
感性の融合は、無限の可能性を生み出して、酒の魅力を
いっそう引き立てる。今後も深みある昔ながらの懐かしい
味わいを楽しめそうだ。
奈良の地酒 金鼓/大倉
昔ながらの 山廃仕込み

   
   奈良の地酒 金鼓/大倉 


 
 
 
 
 


 
   
   
 
 
 


 
 


 
 


 
 


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