山廃仕込みとは?|大倉本家

山廃仕込みとは?
蔵のこだわり山廃仕込みとは

 一般に山廃仕込みで出来たお酒は、
濃醇で旨口タイプの酒質に仕上がります。
軽快な酒質に仕上げたい吟醸酒には
速醸酒母を用いることもございますが、
蔵では創業より、普通酒にいたるまで
ほとんどのお酒を山廃酒母で仕込んでいます。

 「山廃仕込み(やまはいじこみ)」と言うのは略した言い方で、
正式には「山卸廃止酛仕込み(やまおろしはいしもとじこみ)」です。
山卸」という作業を廃止して(省略して)つくった」 → 山卸廃止山廃
この「山廃酛」を用いて仕込むことを「山廃仕込み」と言います。

  • 山廃酒母のあら櫂入れ

  •  お酒造りには酒母(しゅぼ)と呼ばれる工程があります。酒母は 優良な清酒酵母を大量に育てて、次の発酵工程 もろみ での発酵が順調に進ませるためのスターターの役割をします。酒母は酛(もと)とも言われます。
     お酒造りは開放状態で行われているので、雑菌が入り込む可能性も十分にあって、このため雑菌に打ち勝つ必要があります。「酸性に弱い」という雑菌の特性を利用し、酒母には多量の乳酸を含ませて酸っぱくしてあるのです。

  •  人工の乳酸を添加した酒母が、速醸酛(そくじょうもと)です。 人工の乳酸を加えるのではなく、自然の乳酸菌の生育を導き、酸性にする酒母に生酛(きもと)山廃酛(やまはいもと)があります。
     生酛造りで行われている、「酛すり(山卸・やまおろし)」作業を、山廃造りでは省略されています。山卸は米麹と蒸米をすり合わせて、糖化を促進させるための作業ですが、山廃では 麹の酵素が米を溶かすことを応用しているのです。

  • 糖化作用を促進する 汲み掛け操作

  • 冷管を用いての温度管理。酵母の増殖を抑え、
    糖化のみ先行させるよう、速やかに品温を下げます。

  •  速醸は約2週間で完成。このを用いると、安全で簡便で香りよく軽快な酒質に仕上がります。
    他方山廃生酛は、速醸の倍以上(30~40日)の手間ひまをかけて育まれます。
     製造工程において乳酸発酵など微生物の活動があり、蔵ごとの特性の出た多様な香気成分が生成されます。酒母の味が濃くなるのは このためです。

  • 暖気(だき)樽を用いての温度管理。
    糖化や酵母の増殖を進めます。

 山廃のイメージは‥ゴツイ、重いなどなど。それだけで敬遠されてしまうこともあります。
でもなぜ 山廃にこだわるのか―。
それは、創業以来 皆様にご支持いただいた味は、山廃でしか出せない味…と考えているから
です。

 ある方はおっしゃいます。
「重厚な山廃と吟味。一見矛盾した中の調和。これが金鼓・大倉の味。」と。
山廃によるこの味わい。これを今後も蔵の個性に 酒造りに励む所存です。


参考 「お酒 おもしろノート」

当蔵の山廃で仕込んだお酒

金鼓

山廃純米酒 古都のしらべ、山廃仕込み 純米酒、山廃仕込み 原酒、山廃仕込み 冷酒、
褒紋金鼓、金紋金鼓、清酒金鼓、舞金鼓、宴 山廃本醸造 金箔入り

大倉

山廃純米大吟醸 雄山錦45%、山廃純米吟醸 山田錦50%、山廃純米吟醸 雄町50%、
山廃辛口特別純米オオセト55%、山廃辛口特別純米 備前朝日60%、山廃純米 備前朝日60%、山廃特別純米 雄町70%、山廃純米 陽の光70%、山廃特別純米 山田錦70%、
山廃特別純米ひとごこち(麹四段)

ページ先頭へ戻る